Layer:04 RELIGION ① 「ファントマ」から見える現代社会での監視のあり方その1

4話では、若者の間で流行しているとされるゲーム「ファントマ」のプレイヤーである名も無い少年が登場する。

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(出典:リンク先

https://yamaki-nyx.hatenablog.com/entry/2018/06/04/151039

この人。

明らかに様子がおかしいが、これは本来ワイヤード中のダンジョンに出てくる亡霊を倒すというゲームをプレイしていたはずなのに、なぜかログアウトしてもその亡霊(ここでは小さい女の子)が自分の後を追ってきていたからである。

そして正気を失った少年は、闇雲にゲームで用いていたモデルガン(なぜかリアルワールドでも使えるようになっている)でその亡霊に攻撃を加える。彼女が倒れて、動かなくなるまで。

 

現代(2018年)における情報社会の状況を考えてみると、私は、この少年はSNSでトラブルに陥る人たちを象徴しているのではないかと感じる。実社会=リアルワールドとは異なるレイヤーとしてのネット空間=ワイヤードを生きていたはずなのに、結局そこでもリアルの監視を受け続けている。

そして「ファントマ」での「亡霊」とは、すなわちこの「監視者」なのではないかと思う。実際にパノプティコンのようなものがあるわけではないのに、なぜか周囲から見張られているような気がする。かの少年の恐怖は、そんな強迫観念に由来するものなのではないだろうか。