Layer:02 GIRLS ③玲音とレインの乖離と邂逅

(注)今回の記事も一部ネタバレを含むので、あらかじめご了承ください。

 

2話の途中、学校で(玲音は14歳の中学2年生という設定になっている)友人たちが玲音に話しかける。昨日サイベリアで玲音そっくりの子がいた、と。

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(出典:小中千昭氏のブログ「welcome back to wired」リンク

https://yamaki-nyx.hatenablog.com/entry/2018/05/27/143919

しかし玲音にはそんな記憶は無い。当然そのことを否定する。すると彼らは納得する。その玲音に似た少女は、性格や雰囲気が玲音とは正反対だったから。他人の空似なのだろう。玲音も友人たちもそう考えた。

しかしこれこそが、玲音の分裂のはじまりであり、同時にリアルワールドとワイヤードとの境界の融解のはじまりだったのである。

玲音の友人たちが見た玲音は、玲音のワイヤード上の人格「レイン」だった。しかしなぜか、その姿はワイヤードの外で目撃される。それはワイヤードがリアルワールドに与える影響が大きくなっているからに他ならない。

玲音の実存への強い不安は、こうした自己の分裂に端を発している。実は「玲音の姿をした『玲音』以外の存在」は他にもあるので、この問題について掘り下げるのは全てが出揃ってからにさせていただきたい。