Layer:02 GIRLS ②REASON FOR EXISTENCE Ⅱ(補足)

注:今回の記事はネタバレを含むので、あらかじめご了承ください

 

前の記事でも紹介したように、『lain』作中では、存在は意識=認識の接続によって定義される。このことは、信仰という形で他者から認識される限り神はその存在を認められる、ということをも暗に示唆している。サイバーパンク的な想像力が支配しているように見える(ある意味唯物的な)『lain』の基盤となる価値観は、意外にも観念的なのである。尤も、リアルの極限はフィクションである、というのはよく聞く話だとも思うが。

あらゆる現象は両義的である。その事実を顕在化させている『lain』は(リアルワールドとワイヤードとが共存している、という点で)一見シュールレアリズム的だが、実際にはこれ以上ないと言っていいほどリアルな作品であるとも言えよう。